そもそも鉄筋ってなに?
建設工事をする上で、欠かせない材料の一つが鉄筋です。
異形鉄筋について解説する前に、鉄筋ってそもそもなんだっけ?というのをまず簡単におさらいしていきましょう。
鉄筋とは、その名の通り鉄でできた細長い棒のことで、コンクリートの中に埋め込んで使用する鋼材のことをいいます。
鉄筋は引っ張られる力(引張り力)に抵抗する力が強く、逆に圧縮される力(圧縮力)には弱いといった材料特性を持っています。
そのため圧縮する力には強いが、引っ張られる力には弱いコンクリートの中に埋め込むことで、お互いの弱さを補い合うことができ、より強度のある構造体にすることができます。
異形鉄筋ってなに?
異形鉄筋とは、丸鋼鉄筋に凹凸がついた鉄筋のことで、現在の工事現場で使用される鉄筋のほぼ全てがこの異形鉄筋となります。
凹凸がついていることで、コンクリートの中に埋めた時に硬化したコンクリートに引っかかる力が働き、抜けにくくなったり、コンクリートに働いた引張り方向の力に対してより抵抗しやすくなることで構造物をより強く作ることができます。
また、異形鉄筋が登場する前の大昔は、丸鋼鉄筋が使用されていましたが、使うメリットが少ないため現在では全く使用されなくなってしまいました。
丸鋼鉄筋との違いは?
異形鉄筋と丸鋼鉄筋の違いは、鉄筋の周りにリブと呼ばれる凹凸がついているかどうかです。
上が異形鉄筋、下が丸鋼鉄筋です。
ご覧の通り、丸鋼鉄筋は表面がツルツルなので、鉄筋に期待されるべき引張り力がうまく発揮されません。
また、異形鉄筋が登場する以前は、丸鋼鉄筋が使用されていましたが、工事現場においては使うメリットがないため現在では全く使用されなくなってしまいました。
異形鉄筋の種類は?
異形鉄筋は、よく『SD345』や『SD490』などど表記されることがあります。
このSDとはSteel Deformedの頭文字から来ています。
345や490は鉄筋の許容応力度を表しています。
鉄筋の許容応力度については、今後別の記事で詳しく解説していきますのでもう少々お待ちください。
代表的な異形鉄筋については下記のようなものが挙げられます。
- SD295
- SD345
- SD390
- SD490
ほとんどの工事ではこの中のいずれかの鉄筋が使用されています。
異形鉄筋の使い方は?
異形鉄筋は基本的に鉄筋コンクリート構造物全般に使用されており、鉄筋は引張りに強く圧縮に弱いという特性を持っていることから、コンクリートの弱点である引張りに抵抗するものとして組み込まれることが多いです。
例えば土木の分野でよく身近に目にするものとして、L型擁壁、構造物の基礎、橋脚、コンクリート柱など様々なものがあります。
まとめ
本記事では異形鉄筋について説明をしました。
異形鉄筋は凹凸がついた鉄筋のことで、現在の工事現場で使用される鉄筋のほぼ全てが異形鉄筋であること。凹凸がついていることでコンクリートとの付着力が増し、より引張力に抵抗することができるようになっていること。
また種類は下記が主な種類となります。
- SD295
- SD345
- SD390
- SD490
最後までご覧いただきありがとうございます。本記事が皆さんの知見向上の一助となれば幸いです。
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